複数の異なる角度の偏光子を画素サイズに合わせて
高精度に形成したCMOSイメージセンサー画素技術
偏光子の参考画像
Source: Sony, IEDM2016, Lecture number 8.7
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当社の偏光センサーには4方向の偏光子が搭載されており、ワンショットで4方向の偏光画像を取得することができます。(図1) 各方向の偏光子の輝度値から偏光方向(光の振動方向)と、偏光度(偏光の度合い)を算出することができます。
後段の信号処理と組み合わせることでリアルタイム*3に偏光情報*4を得ることが可能になります。
図1 基本構造
一般的な従来の偏光カメラは偏光子をイメージセンサーの上に貼り合わせた構造ですが(図2)、当社の偏光センサーは、On-Chip Lensの下に偏光子を配置しています(図3)。偏光子とフォトダイオードの距離が近い方が隣接画素に漏れこむ光が少なくなるため、消光比特性*5や斜入射特性が良くなります。 当社の偏光センサーは偏光子を半導体プロセス上で形成しているので、従来の貼り合わせ構造の偏光センサーと比較して偏光子の形成・配置の精度や、均質性、量産性、耐久性などが優れています。 また、当社の偏光センサーには偏光子の上に反射防止層が設けられており、フレアやゴーストの影響も大幅に軽減されています。
光には、明るさ(振幅)、色(波長)、偏光(振動方向)の物理的な要素があります。 一般的な自然光や蛍光灯などの光はいろいろな方向に振動しており、その状態は無偏光あるいは非偏光と呼ばれますが、偏光板を介することで特定の方向に偏った光(偏光)を取り出すことができます。
図4
当社の偏光センサーが採用するワイヤグリッド方式では、偏光子に対して垂直な方向(透過軸)に振動する光を透過し、水平な方向(吸収軸)に振動する光を遮断します。
偏光の情報は、どの振動方向に、どの程度偏光しているかの2つの要素で示すことができます。前者は「偏光方向」、後者は「偏光度」と呼ばれます。これらの情報を活用することで、これまで可視化や認識が困難であった物体表面の傷・異物・歪みなどの検査への応用や、物体の形状の認識など、さまざまな可能性が期待されます。
通常、物体を見る際、その物体の表面で反射および散乱された光を私たちは見ています。反射された光は、物体の材質・色・凹凸などの表面状態や反射の角度などによって、偏光度が変わります。
図5 通常画像
図6 偏光度画像
図6の画像は、偏光度が分かるように表示させた画像です。偏光度が高いほど白く、低い所ほど黒く表示しています。図6の赤枠の中に注目してみると、革と革を縫い付けている糸の偏光度の差が大きいので、縫い目がよく見えます。
反射光の偏光方向の情報から、物体の反射面の向きが分かります。
図7 通常画像
図8 偏光度画像
図8の画像は偏光方向が色で分かるように表示させた画像です。偏光方向の角度をHSVカラーマッピングに図9の通り配置して表示させています。図8にある立方体の上の面は水色で表示されており、以下のカラーマッピングに照らし合わせてみると、偏光方向(立方体の上の面の方向)が90度であることが分かります。
※弊社評価ボードにて撮像
図9 HSVカラーマッピング
図10 通常表示
図11 偏光度表示
同質の平面(ガラス板)上に凹凸や異物がある場合の例です(図10,11)。傷や汚れ(指紋、ゴミ)部分の偏光度が周りと差があるので見やすくなります。(図11)
図12 通常表示
図13 偏光度表示
錠剤とアルミシートの偏光度の差が大きいことを利用すると、錠剤の充填の有無が見やすくなります。(図13)
図14 通常表示
図15 偏光度表示
偏光方向が分かると、歪みの有無だけでなく、どの方向に歪んでいるかも分かります。(図15)
図16 通常表示
図17 偏光度表示
ワンショットで4方向の偏光画像を取得可能な偏光イメージセンサー
後段の信号処理と組み合わせることでリアルタイムに偏光情報を得ることができます。
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