報道資料
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2021年9月29日
業界最多※1有効約813万画素※2でUV(紫外線)波長域に対応した
グローバルシャッター機能搭載CMOSイメージセンサーを産業機器向けに商品化
~高画質で高速な撮像性能により、産業界の生産性向上と課題解決に貢献~
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
※1:UV(紫外線)波長域に対応したCMOSイメージセンサーとして(2021年9月29日広報発表時)
※2:イメージセンサーの有効画素規定方法に基づく
ソニーは、グローバルシャッター機能を搭載し、UV(紫外線)波長域に対応した2/3型業界最多※1有効約813万画素※2のCMOSイメージセンサー『IMX487』を産業機器向けに商品化します。
本製品は、UV波長域に特化した構成部材や独自の受光部構造により、高いUV感度性能とノイズを抑えた高画質な撮像を可能にします。また、画素がUV光を高効率に取り込むことで、高いUV感度に加え、業界最小※1の2.74㎛角の微細画素による小型・高解像度を実現しました。さらに、独自の裏面照射型画素構造のグローバルシャッター機能を搭載した積層型CMOSイメージセンサー技術Pregius S(プレジウス エス)を採用し、歪みの無い高い撮像性能と高速性を兼ね備えました。
UVカメラの既存市場である半導体パターン欠陥検査をはじめ、さまざまな用途での活用が期待され、製造工程の生産性向上や産業課題の解決に貢献します。

UV波長域対応CMOSイメージセンサー『IMX487』

型名 | サンプル出荷時期 (予定) |
---|---|
2/3型(対角11.1mm)有効約813万画素※2 CMOSイメージセンサー『IMX487』 |
2021年9月 |
一般的にUVカメラは、可視光では困難な素材の選別や、物体表面上の微細な傷や欠陥などの確認を可能とします。従来から半導体パターンの欠陥検査などに使われてきましたが、今後、より用途を広げるために、UV波長域における感度だけでなく、解像度や低ノイズ性能、そして高速性を併せ持ったイメージセンサーへの要望が高まっていました。
本製品は、光の入射する光路の構成部材に、UV透過率の高い材料を採用し、さらに独自の受光部構造を採用しています。これにより、高いUV感度性能を有し、ノイズを大幅に抑えた高画質な撮像を可能にしています。また、画素がUV光を高効率に取り込むことで、高いUV感度に加え、2.74µm角の微細画素の採用が可能となり、小型な2/3型のセンサーサイズながら業界最多※1となる有効約813万画素※2を実現しました。
加えて、動体歪みの無い撮像を可能にするグローバルシャッター機能を搭載しつつ、裏面照射型画素構造が持つ配線レイアウトの高い自由度により、毎秒193フレーム(10bitモード時)の高速性を実現しています。
本製品は、従来からUVイメージセンサーが活用されている半導体パターン欠陥検査に加え、プラスチックなどのリサイクル現場でのUV光による素材選別や透明樹脂の塗布状態検査、部品表面の微細傷の検査、劣化した電線架線で発生する放電時のUV光検知など、さまざまな産業課題の解決に貢献します。
なお、UVの波長域は可視光(400nm~780nm)よりも短く、一般的に10nm~400nmとされています。本製品は、このUV波長域の中でも産業用の検査などに適した200nm~400nmの波長に対応しています。

光の波長(紫外線は10nm~400nm)
<アプリケーション例>
・撮像例1:リサイクルに向けたプラスチックの選別作業
アクリル(PMMA)とポリスチレン(PS)のUV光による選別
(左:可視光環境 右:UV光環境)
・撮像例2:透明樹脂の塗布状態検査
基板上に塗布された透明な保護樹脂(実線内)は、可視光では見えず、UV光では黒く映る。
未塗布部分(点線内)は、UV光でも黒く映らない。
(左:可視光環境 右:UV光環境)