対角6.46mm (1/2.8型) 有効 約321万画素 カラーCMOSイメージセンサ

IMX123LQT

産業機器向け 近赤外感度向上、裏面照射型CMOSイメージセンサ

ソニーでは、産業機器向けに近赤外領域での感度を向上させた約321万画素の裏面照射型CMOSイメージセンサ「IMX123LQT」を開発しました。
業界最先端※1となる裏面照射型構造の画素に、表面照射型構造で培った近赤外領域での感度向上技術のノウハウを活かすことで、近赤外領域での感度を従来比1.5倍に向上させました。また、用途に応じてWDR (ワイドダイナミックレンジ) や、ゲイン設定、インタフェースが選択できるさまざまな機能を搭載しています。

※1:2014年4月現在、ソニー調べ

  • 裏面照射型構造 2.5µm角単位画素
  • 近赤外領域感度向上技術導入により 近赤外感度 従来比1.5倍以上
    (IMX136LQJ比約3.8倍、IMX124LQT比約1.5倍)
  • 多彩なWDR機能に対応
  • 多彩なゲインモード搭載
  • 低電圧版LVDS/MIPI (CSI-2準拠) を搭載

Exmor R
* Exmor Rは,ソニー (株) の商標です。列並列A/D変換方式を採用したExmor™の画素の基本構造を裏面照射型にすることで,感度や低ノイズなどの撮像特性を大幅に向上させたCMOSイメージセンサです。

STARVIS
* STARVISは,ソニー (株) の商標です。STARVIS (スタービス) は,1µm2あたり,2000mV以上 (カラー品,706cd/m2光源撮像時,F5.6,1s蓄積換算) の感度を有し,可視光領域に加え近赤外領域までの高画質を実現した,監視カメラ用途CMOSイメージセンサ用 裏面照射型画素技術です。

裏面照射型構造 + 近赤外領域感度向上

産業機器カメラで求められる要素として、近赤外領域の感度特性があります。今回、当社従来品IMX124LQT※2で採用した2.5µm角単位画素の裏面照射型構造の画素に、当社従来品IMX222LQJ※3に代表される表面照射型構造の近赤外領域での感度向上技術を合わせることで、さらなる感度向上を実現しています。
850nmの波長領域での感度は従来品IMX124LQTと比較して約1.5倍です。従来品IMX136LQJ (2.8µm角単位画素の表面照射型構造) との比較では、画素サイズが異なるにもかかわらず、低照度画質と、近赤外領域の感度において大幅に向上しています (写真2)。
また、画素間分離構造を最適化し、画素間の混色を抑えることで、近赤外領域の感度向上時に発生しやすい色バランス崩れや、混色の悪化を抑え、可視光領域での高画質も両立しています (写真1)。

※2:2013年11月 製品情報参照
※3:2013年8月 製品情報参照

多彩なWDRモード

産業機器のカメラに求められる機能の中で代表的なものとしてWDRがあります。IMX123LQTでは、使用するISP (イメージ信号処理) や、実現したい駆動に応じて4種類の機能を搭載しています。

  • 1) 14bit AD駆動
    シングル露光で量子化分解能を上げることでダイナミックレンジを広げることができます。
  • 2) 複数フレームセット出力機能
    露光時間のほかにゲイン設定もフレームごとに設定できます。本機能は単にWDR機能の実現だけでなく、ブラケット撮影等の用途にも応用できます。
  • 3) 2枚の露光時間の異なる画像をセンサ内部で合成して出力する機能
    本機能はWDRを実現したいがISP側に複数フレームを合成する機能が無い場合に、簡易的にWDRを実現したい用途に適しています。
  • 4) DOL (デジタルオーバーラップ) 駆動
    本機能は最大3フレーム分の画像をラインごとに交互に出力する機能となっており、専用のISPが必要になりますが、従来の複数フレームセット出力を用いたWDRと比較して低照度時の特性等、優位な点があります (写真3)。DOL駆動は使用されるISPに合わせて制御/データ受信できるように複数の設定を用意しています。

※MIPI (CSI-2準拠) ではDOL駆動は非対応

多彩なゲイン機能

通常のアナログゲインは最大で27dBです。ゲイン拡張機能を使用するとフレームレートが半分となりますが、アナログゲインを+12dBに拡張することが可能で、デジタルゲインと合わせてセンサ単独で最大63dBまで設定することが可能です。
また、色別にゲインを設定することで、高画質を実現できます。この他、WDRの項でも触れていますが、複数フレームセット出力時にフレームごとにゲインを変えることができます。さらに、1つの画素を2系統で出力することができ、それぞれの出力にゲインをかけるモードを搭載しています。2系統それぞれに別のゲインを設定して使用することや、同じゲインを設定し後段で処理することで、ノイズ低減や感度を上げることができます。このように多彩なゲイン機能を搭載していますので、実現したい機能特性に応じて選択することが可能となっています。

インタフェース

IMX123LQTは、8ch/4chから選択して使用することができる低電圧版LVDSの他にMIPI (CSI-2準拠) のインタフェースを搭載していますので、カメラ仕様に合わせて選択して使用することが可能となっています。MIPI (CIS-2準拠) のインタフェースでは4laneまでとなっておりIMX123LQTのすべての機能に対応はできませんが、汎用ISPに容易に接続が可能となっています。
また、先行して商品化したIMX124LQTとはパッケージを共通化しており、共通設計が容易となっています。

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写真-1 IMX123LQT出力画像例

条件:500 lx F1.4 (QXGA画像 60 frame/s)

写真-1-1

IMX123LQT
内部ゲイン 0 dB

写真-2 当社従来品との比較

条件1:0.06 lx F1.4 (QXGA画像 30 frame/s)

写真-2-1

IMX136LQJ (FI 2.8 µm 2.4 M)
内部ゲイン48 dB (MAXゲイン)

写真-2-2

IMX123LQT (新製品)
内部ゲイン63 dB (MAXゲイン)

条件2:0 lx (IR光照射) F2.8 (QXGA画像 30 frame/s)

写真-2-3
IMX136LQJ (FI 2.8 µm 2.4 M)
内部ゲイン 0 dB

写真-2-4

IMX123LQT (新製品)
内部ゲイン 0 dB

写真-3 WDR機能を使用した画像例

写真-3-1

シングル露光での画像

写真-3-2

DOL-WDRを使用した画像

表-1 素子構造
項目 IMX123LQT
イメージサイズ 対角 6.46 mm (1/2.8型) (QXGA mode)
対角 5.56 mm (1/3.2型) (Full HD mode)
有効画素数 2065 (H) × 1553 (V) 約321万画素
ユニットセルサイズ 2.50 µm (H) × 2.50 µm (V)
オプティカル
ブラック
水平方向 前0画素、後0画素
垂直方向 前12画素、後0画素
入力駆動周波数 54 MHz / 27 MHz / 37.125 MHz / 74.25 MHz
パッケージ 98-pin LGA
電源電圧 VDD (標準値) 2.8 V / 1.8 V / 1.2 V
表-2 撮像特性
項目 備考
G感度 (F5.6) 標準値 600 mV 1/30s 蓄積
飽和信号量 最小値 812 mV Tj = 60 °C
表-3 基本駆動モード
駆動モード インタフェース ADC フレームレート (Max.) ビットレート (Max.)
QXGA 低電圧版LVDS
シリアル8ch
12 bit 120 frame/s 648 Mbps/ch
低電圧版LVDS
シリアル4ch
12 bit 60 frame/s 648 Mbps/ch
低電圧版LVDS
シリアル4ch
14 bit 30 frame/s 594 Mbps/ch
CSI-2 4lane 12 bit 60 frame/s 702 Mbps/lane
CSI-2 4lane 14 bit 30 frame/s 594 Mbps/lane
Full HD 低電圧版LVDS
シリアル8ch
12 bit 120 frame/s 594 Mbps/ch
低電圧版LVDS
シリアル4ch
12 bit 60 frame/s 594 Mbps/ch
低電圧版LVDS
シリアル4ch
14 bit 60 frame/s 594 Mbps/ch
CSI-2 4lane 12 bit 60 frame/s 445.5 Mbps/lane
CSI-2 4lane 14 bit 60 frame/s 594 Mbps/lane

※ 本資料に記載されております規格等は,改良のため予告なく変更することがありますので,ご了承ください。

VOICE

設計者集合写真 (黒木、工藤、井澤、松田、岩本、鷹本)

IMX123LQTでは、ソニーの強みである裏面照射型構造技術を産機向けにさらに向上させるために近赤外領域感度向上という新たな技術導入に取り組みました。また、新WDR機能、新ゲイン機能といった新たなチャレンジも行った意欲的なセンサに仕上がっています。
本センサをきっかけに新たなカメラ開発の手助けができればとメンバ一同期待していますのでぜひ、IMX123LQTのチャレンジした成果をご確認ください。